No03取締りの法律と保険の法律

2017.11.8 No.3 取締る法律と保険を運営する法律

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                     とれとれE★社労士  

   

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さん、こんにちは~

 

択一式問題の出題には、近年、色々な発問形式がみられます。

基本は、5肢択一「誤り」OR「正しい」肢を1つ選ぶ問題です。

しかし、それ以外に組み合わせ問題や正解肢はいくつあるか等の個数問題

が増えています。

特に、H28年は全問70うちそれらが18問もありました。

(うち、組み合わせ問題11問、個数問題7個問)

昨年H29年は9問(組合問題6問、個数問題3問)と昨年程ではなかったですね。

 

難度からすると

 個数問題 > 5肢択一 > 組み合わせ問題

 

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┏━■今日のポイント■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

  社労士試験ではたくさんの法律を勉強しますが、特徴として、

  取締の法律(原則、各条文に行政罰がある)と主として保険を

  運営することを主たる目的とする法律とに分けられます。

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まず、社会保険労務士の試験で勉強する主な法律(試験科目)は、

1.労働基準法

2.労働安全衛生法

3.労働者災害補償保険法

4.雇用保険法

5.労働保険徴収法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律)

6.健康保険法

7.国民年金法

8.厚生年金保険法

9.一般常識 (社労士関係のたくさんの法律が広く浅く出題されます)

 

一般的には、1~5が労働科目、6~8が社会保険科目です。

9の一般常識は、労働に関する一般常識と社会保険に関する一般常識です。

 

 

■■■罰則をもって取り締まる法律と保険を運営する法律を確認してみましょう?■■■

 

○取締法(1.労働基準法  2.労働安全衛生法)

労働基準法と労働安全衛生法は、罰則をもって取り締まる法律。

 

例えば、

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例題1

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段に

よって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

                      (H20-労基法1A)類H10-6B

例題2

労働基準法第5条が禁止する労働者の意思に反する強制労働については、労働基

準法上最も重い罰則が定められている。(H21-労基法1D)

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⇒例えば、働く意思もないのに、暴行されたり脅迫されたりして強制的に

 労働させられたら・・・どうでしょう。そんなこと許されることではあ

 りません。

 だから、労働基準法の第5条では、このような強制労働を禁止し(例題1)に

 違反すれば、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金

 という、労働基準法上最も思い罰則を課しています(H29-問5イ関連問題)。

 

>>

 

例題1の答え ○

例題2の答え ○

 

 

  ♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  では、なぜ、労働基準法には行政罰が付されているのでしょうか?

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 労働者と使用者、比較すればどちらが弱者でしょうか?

 労基法第2条では、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場

 において決定すべきものである。」と定められていますが、

 現実に、立場的に弱いのは雇われている労働者側ですね。

 弱者である労働者を、より具体的な法律(=特別法)である労働基準法で

 保護しましょう(労働者保護法)ということですから、労働基準法の条

 文の主語を確認してみて下さい。

 ほとんどの条文は

 「使用者は○○○してはならない!」

 「使用者は○○しなければならない!」

 というふうになっており、違反したら罰則ですよ。となるわけです。

 

■■ ちょっとkeikei一言 ♪♪ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 でも、ここで試験対策的に注意してほしいことを一言つけくわえて

 おきますと・・・。 

 

 「労働基準法の各条文にはすべて罰則がある」と出題されると・・・?

  答えは、「×」なんです。

 

 大原則から外れた例外的な規定(=罰則の適用がない)もあります。

 社労士試験では、この例外が結構「くせもの」で、罰則のないこの

 例外的な規定もよく出題されるので、ちょっと気に留めておいてくだ

 さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■

 

 

■■■ 労働安全衛生法 ■■■

労働安全衛生法は、もともと労働基準法中に規定のあった労働者の安全と衛生に

ついての規定をS47年に分離独立させた法律です。

もとより、労働基準法とは一体としての関係に立つ労働者を保護するための

取締法です。

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例題3

労働安全法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で

定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法

第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行に

おいても基本になる。(H29-問8E)

======================================================================

⇒労働安全衛生法第1条

「労働基準法と相まって・・・・・・・職場における労働者の

 安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成と促

 進を目的とする。」と規定されています。

 

>>

例題3の答え ○

 

 

▼▲今日の選択式対策問題▲▼

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適当な語句をうめましょう。

 

1.労働条件は、労働者と使用者が、( A )において決定すべきものである。

                     (H19-選択式労基法問1)

2.労働者及び使用者は、( B )しなければならない。 

                     (H18-選択式労基法問1)

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⇒1.は、労働基準法第2条1項より

 使用者>労働者にならないように、「対等の立場」において決定すべきと

 明記しています。

 2.は、労働基準法第2条2項より

 長い文が、答えに入りますが、まあそれは、記述式ではなく選択式なので

 大丈夫なのですが。この年の出題では「労働契約」を「労使協定」とした

 選択肢がありました。あとは・・・そうですね、

 「労働協約」「就業規則」「労働契約」の順番(強制力の強い順)

 はこのとおりでないとやはり間違いになります。

 一つ一つの用語をしっかり理解し正確に押さえる必要があるということが

 わかりますよね。

 

 それと、上記解説に書いているように、労基法は、

 「使用者は○○しなければならない!」

 という条文がほとんどですが、この設問のように、主語が

 「労働者及び使用者は、○○しなければならない!」と両方に義務を課して

 いる条文もあります。

 また、労基法第1条2条は、訓示的な規定なので、keikei一言♪♪

 で触れたようにその違反について、罰則の規定はありません。

 

 

 

>>

 

今日の選択式対策問題の答え

 

A対等の立場

B労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行

─────────────────────────────────▲▼

 

 

○「保険法」(3.労働者災害補償保険法 4.雇用保険法 5.労働保険徴収法

       6.健康保険法 7.国民年金法 8.厚生年金保険法)

 

 取締法に対してわかりやすく保険法と分類した法律は、保険の仕組みを利用して、

 国民または労働者の生活の安定を保障しようとするものですから、

 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 「保険料」を徴収し、保険事故が起った時は、「保険給付」を

 しましょう

 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

これが大原則的な考え方である法律です。

なので、罰則があるのは、不正受給(失業者がとっくに就職しているのに

失業給付を受けているとか、労災で怪我をして保険給付を受けている者が実は

その怪我はとっくに治っているのに給付を受け続けている等)した場合です。

そのような場合は、罰則規定が設けられてはいますが、それ以外のほとんどの

条文は保険方式を正しく運行するための規定ですから、各条文に罰則というわ

けではありません。

 

 

■■ ちょっと余談ですが、役立つ話♪♪━━━━━━━━━━━━━━━

よく見てください。上記社労士試験科目3~8の法律名称は、○○○保険法

となっているのに・・

7の国民年金法には「保険」が入ってませんよ!!

そうですね。忘れた!というわけではありません。

国民年金法も保険法ですが、少し「保険料徴収」「保険給付」の仕組みを

逸脱している部分があります。

 

国民年金法は、憲法25条2項の国の社会保障義務の理念のもとに制定されて

います(国年法第1条目的条文を読んでみましょう)から社会福祉的な側面

を持っています。

よって、保険料を納付していなくても生活を保障をするために給付をする場合

(20歳前障害年金や福祉年金等)があって完全な保険の仕組みでない部分が

あるのであえて法律名に「保険」と入れていないと理解すればよいでしょうね。

★先ほどの保険法の大原則が厳密に適用されない場合がある!!という

 イメージでいいと思います^^。

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